四六時夜光註の擬態

内なる辺境をめぐる断片

2021-05-06から1日間の記事一覧

盗潮

幾度となくためらっては揺らぐのがこの手なのか、まだ像を結ばぬ風景のほうなのか判別のつかないまま、干潟に打ち捨てられた異物の黒い光沢が警告を発しているように思えて竦んだ。生き物の屍骸より、死が緻密なぶん、偽装めいている。視力を拡張するために…